牧山内千代さんにインタビュー |
ハガクレ
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今回のゲストは千代さんですこんにちは
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千代
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こんにちは(にっこり)
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ハガクレ
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千代さんといえば、本名より「山内一豊の妻」って名前の方が有名ですね
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千代
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そうでございます。女たるもの夫の影に隠れつつ、でしゃばらず、そして夫の出世のためにしっかりと支えるもの。これが妻の役目であります。
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ハガクレ
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そんなこと現代で言ってたら笑い飛ばされますよー
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千代
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笑いたければ笑えばよいのです。人様がどう言おうと、私の夫は私のおかげで一国の主となったのですから
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ハガクレ
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へー!どんな風に?
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千代
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まだ夫が織田家の新参者の時でございました。「馬揃え」という織田家あげての一大イベントがあったのです。
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ハガクレ
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ふーん
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千代
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そこにとても素晴らしい馬を売りにきた商人がおりました。
毛並みといい艶といい最高級でございました。が、あまりの高値に誰も手が出せなかったのです。
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ハガクレ
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そんなに高かったんですか?
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千代
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そりゃあもう。今でいうベンツクラスですわね
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ハガクレ
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ええっ!!死ぬかもしれない馬がー?ヒェー
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千代
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夫はその馬にひとめぼれしたようでした。
が、家は貧乏でございました。夫はトボトボと家に帰ってきたのでございます。私は理由を聞き出し、そこでへそくりを渡して馬を買うように言ったのです
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ハガクレ
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えー!よくそんなお金持ってましたね!
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千代
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私の父が何かあった時ように小判をくれていたのです。それと私がちみちみと一生懸命へそくりをしていたお金ですわ
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ハガクレ
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ふーん。じゃあ山内一豊さんはその超高級馬を買ったんですね?
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千代
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ええ。もう大喜びでね。
すると「一豊が超高級馬を買った」という噂が社長(織田信長)の耳に入ったのでございます。
社長さんは「でかした一豊!もしワシの部下が馬を買わなければ、織田家だったら買ってくれるだろうとやってきた商人に笑われるところであった。」と褒めてくださいましてね
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ハガクレ
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へぇー
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千代
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それから夫は出世街道まっしぐらでございましたの。オホホ
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ハガクレ
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全て千代さんのへそくりのおかげなんですね
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千代
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あなたも覚えておきなさい。男というのはね、うまい具合にたててあげ、肝心な時にお金を与えるのです。そのタイミングを見極めることが夫の出世を左右するのですよ
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ハガクレ
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そうですか
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千代
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関ヶ原の合戦の時もね、私は夫のために一工夫したのですよ
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ハガクレ
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どんな工夫を?
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千代
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夫は家康殿の東軍の味方をし、家康殿と一緒に上杉景勝を討つべく小山まで進軍しておりましたの
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ハガクレ
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ふむふむ
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千代
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その頃大坂では西軍の石田三成が東軍の妻子を人質にとっていたのです。
東軍の武将の妻子を人質にとっておけば、東軍武将らがひるむであろうということでね。もちろんこの私も人質となりました
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ハガクレ
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へー
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千代
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その時私は夫宛てに手紙を書いたのです。
「私のことは心配しないで下さい。いざという時は自害するつもりでおります。三成殿は西軍の味方をするように言っておりますが、アナタは家康殿への忠義を忘れないように」とね
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ハガクレ
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はぁー。ホントにいざという時死ぬつもりだったんですかぁ?
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千代
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おバカ!ここからが肝心なのよ。よーくお聞き。
私はね、同じ内容の手紙を封を切らずにもう一通用意いたしましたの。
で、夫宛ての手紙に「PS・この封を切ってない手紙をアナタから(ワシの妻から手紙がきてます。どうぞ家康殿が先にお読み下さい)と言って渡しなさい」と追伸したのです
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ハガクレ
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ふむふむ
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千代
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夫は「妻・千代からの手紙です」と家康殿にお渡ししたわけ。で、あの内容でしょ?
一豊が事前に同じ内容の手紙を見たことを知らない家康殿は「一豊の忠義、しかと心に刻んだ!」と超ゴキゲンになったのです
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ハガクレ
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うっわー!なんかずるくないですか?
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千代
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何とでもお言い。東軍は勝利し、夫は5万石から土佐24万石の大名に出世できたのですからね
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ハガクレ
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全部千代さんのおかげなんだ
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千代
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そうよ。これでセコセコとへそくりしていた生活ともおさらばですわよ。ホホホホ。
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ハガクレ
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だから「良妻賢母」って言われるんですねぇ
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千代
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ま、あの人、私がいないと何もできませんからね。ピロピロピロ・・・あら、メールだわ
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ハガクレ
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メール!?
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一豊
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「チヨ・オナカスイタ・ゴハンマダ?一豊」
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千代
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ったく!一豊がおなかすかせて家で待ってるから帰るわね。ほんとに世話のやける!ブツブツ・・・
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